ナイトウ アサオ   Naito Asao
  内藤 朝雄
   所属   明治大学  文学部
   職種   専任准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2011/05
形態種別 学術雑誌
標題 「ネットを用いたいじめをめぐる考察-(一)マス・メディア主導のイメージのバイアスと、(二)学校制度がもたらす閉鎖空間の効果をネットがその「延長された表現形」として増幅させるブースター効果について」
『現代のエスプリ』
執筆形態 単著
掲載誌名 『現代のエスプリ』
巻・号・頁 (526),67-81頁
概要 近年、マス・メディア主導で、ネットを用いたいじめが社会問題として構築されてきている。いじめの蔓延・エスカレートを減らすという実践的目的のためには、とりくむべきターゲットの像をきちんと描く必要がある。そのためにまず、わたしたちがメディアを通じて「思い込まされ」がちなイメージのつくられかたを自覚し、そのうえできちんとした現状分析をし、対策を練る必要がある。
 本稿では、このような実践的な要請から、まず第一節で、マス・メディアがイメージ商品を流布させる講造の中に、「ネットいじめ」のイメージを位置づけて考察する。次に、第二節で、統計データの批判的考察を行いつつ、現状の日本の学校のいじめの中に占めるネットを用いたいじめの位置づけを考える。第三節では、既存の主要メカニズムに、ネットによって新たに付加的効果が加えられるという、ネットに関する基本的な考え方を提案する。第四節では、いじめが蔓延・エスカレートする土台としての、学校制度がもたらす閉鎖空間の心理-社会的メカニズムについて要点を示す。第五節では、既存の学校制度がもたらす閉鎖空間の効果をネットがその「延長された表現形」となることによって増幅させる、ブースター効果について論じる。最後に第六節で実践的な提言を行う。
ISSN 0435-2165