タハラ カズクニ
TAHARA KAZUKUNI
田原 一邦 所属 明治大学 理工学部 職種 専任教授 |
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研究期間 | 2011/04~2013/03 |
研究課題 | 固液界面における自己集合の高次階層制御 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 新学術領域研究(研究領域提案型) |
科研費研究課題番号 | 23111710 |
キーワード | 表面・界面物性, 超分子化学, 走査型トンネル顕微鏡, 固液界面, 自己組織化, STM |
代表分担区分 | 研究代表者 |
代表者 | 田原 一邦 |
概要 | 有機分子の自己集合により固体表面において形成される二次元分子配列は、数ナノメートルのピッチを有し、分子回路や極微反応場の構築、有機光電変換素子の効率化につながる基礎技術として、その制御法の開発に多大な関心が集まっている。しかし、固体表面における自己集合の制御に関する知見は少なく、特定の機能を示す創発的な分子集合体を作成するには、近接分子間の相互作用の制御にとどまらない階層的な相互作用を制御する方法の確立が望まれる。本課題では、これらの配列制御に関する理解を深めることを目的に、以下の課題について検討した。 1. 配列形成に与えるエントロピーの影響:固液界面における分子配列形成にはエントロピーが影響すると考えられるが、これまでに調査がなされていなかった。そこで、アルコキシ基により置換されたデヒドロベンゾ[12]アヌレン (DBA) の形成する配列の、温度に応じた非多孔性配列から多孔性配列への相転移を熱力学モデルにより解析し、相転移に伴う熱力学的パラメータの変化を実験的に見積もることに成功した。 2. 階層的分子認識による配列制御:アキラルなDBAはキラルな関係にあるハニカム型の配列を等面積で形成する。一方、キラルなアルキル基を持ったDBAは、ホモキラルな分子配列を形成することを明らかにした。また、キラルな分子をキラル源として、アキラルな分子配列のキラル誘起について検討したところ、階層的な分子認識により完全にキラリティーが誘起されることが分かった。 3. 二次元配列のエピタキシャル成長:二次元配列のエピタキシャルな構造成長を目的に、DBAの三つのアルキル鎖の先端に金属ポルフィリン部位を含む分子を合成した。この分子は金属ポルフィリン部位を空孔に配置させながらハニカム型に配列した。空孔の金属ポルフィリンへの電荷移動相互作用によるC60の、配位結合によるピリジン誘導体の配置に成功した。 |