ナガトモ ヤスユキ
NAGATOMO Yasuyuki
長友 康行 所属 明治大学 理工学部 職種 専任教授 |
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研究期間 | 2002~2004 |
研究課題 | モジュライ空間のトポロジーと表現論 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(B) |
科研費研究課題番号 | 14340025 |
キーワード | 対称空間, モジュライ空間, 四元数多様対, ベクトル束, 反自己双対接続, 表現論, ツイスター空間, 四元数多様体, ツイスター作用素 |
代表分担区分 | 研究代表者 |
代表者 | 長友 康行 |
概要 | 以前の研究において、コンパクトリー群の表現論を用いることにより、4次元幾何学における成果を別の角度から見直し、高次元のコンパクトリー群に付随した四元数対称空間に対して、「ASD接続の族」を構成することに成功していたが、次元簡約の方法を用いることにより、これらの間に次元を超えた関係のあることがわかった。この方法はASD接続を許容するベクトル束の新しい発見法を示唆するものとして期待される。また、上記「ASD接続の族」が完備であるかどうかはそのコンパクト化を考察する上でも重要な謎であったが、これに対してもツイスター方程式を満たす切断「ツイスター切断」の理論を構築することにより、さまざまな場合に肯定的な解答を得ることに成功した。これはツイスター切断がツイスター空間上では正則切断に対応し、その結果、ホモロジー代数的手法を適用することが可能となったことによる。また、ツイスター切断の理論を四元数対称空間上の等質ベクトル束において展開することにより、「単連結コンパクトリー群の実表現の内で、主固定部分群が非自明であり、かつそれが可換群でも離散群でもない表現と横断的ツイスター切断の零点集合として得られるコンパクト四元数対称空間内の四元数部分多様体の同型類との間に一対一対応が存在する」という結果を得ることにも成功した。さらにツイスター切断の理論を用いることにより、モジュライ空間のコンパクト化において重要な役割を果たすと予想される特異集合をもつ特異ASD接続とこの接続を許容するベクトル束との間に関連のあることも示すことができた。すなわち、「特異ASD接続の特異集合が代表するホモロジー類のポアンカレ双対がベクトル束の特性類である」という事実を多くの場合において示すことに成功した。また、上記においてホモロジー代数的手法に言及したが、高次元においては考察すべき層コホモロジーが飛躍的に増大し、しばしば扱いきれないことがあるが、以前得られていた層コホモロジーに対する消滅定理を再考し、その一般化にも成功した。この一般化された「消滅定理」はこの方面では最終形のものである。この一般化された消滅定理とツイスター切断の理論を組み合わせて用いることにより、さらなるASD接続のモジュライ空間の構成にも成功した。これら高次元インスタントンモジュライ空間の具体例の組織的な構成は現在までのところ本研究のみであると思われる。 |