ミズノ ヒロコ
MIZUNO Hiroko
水野 博子 所属 明治大学 文学部 職種 専任教授 |
|
研究期間 | 2002/04~2005/03 |
研究課題 | 1945年以後の日本・オーストリア両国における「記憶の文化」形成に関する比較研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 若手研究(A) |
科研費研究課題番号 | 14701007 |
キーワード | オーストリア現代史、集合的記憶、過去の克服、記憶の文化史 |
代表分担区分 | 研究代表者 |
代表者 | 水野博子 |
概要 | 本研究の目的は、1945年以後のオーストリアと日本の戦時期をめぐる「記憶の文化」のありかたがどのように形成され、また変容してきたかを歴史的に研究することにあった。なかでも、記憶の諸相を「個人-集団-社会」という現代的なつながりの中で考察することを試み、記憶の複数性が持つ問題性とその可能性について検討した。そのために行った研究は次のとおりである。 1.オーストリアについては、マウトハウゼン元強制収容所記念施設、戦没者記念碑群、ユダヤ人迫害についての史料収集をオーストリア本国において行い、常に相克を引き起こす複数の記憶が並存する人間社会の諸相を考察した。 2.日本については、特に、東アジア歴史フォーラムのワークショップに参加し、史学史の再検討という観点から日本の近代をめぐる歴史的記憶の形勢とその問題性について議論・検討した。また、広く「記憶の文化」という観点から阪神・淡路大震災10周年にあたって神戸市内フィールドワークを実施し、震災の記憶が「防災」という方向に収斂されていく問題性を考察した。 3.収集した写真、映像、文書の各史料を体系的に整理し、データの体系的なデジタル保存に努めた。 4.日本国内の歴史研究に関する有識者を関西に招聘して研究ワークショップを開催し、そこで研究報告を行い、三年間の研究に対する第三者評価を受けた。 5.本研究プロジェクトを終了するにあたり、より総合的に第三者評価をうけるため、これまでの研究成果をまとめた研究報告書「記憶のタペストリー-マイノリティ、ナチズム、戦争をめぐる現代文化の諸相」を自主的に作成・発行し、各関係者に配布した。 |