タカハシ　ナオキ   TAKAHASHI NAOKI   高橋　直紀    所属   明治大学  農学部    職種   専任准教授
研究期間	2014/04～2016/03
研究課題	根の成長プログラムの分子基盤の解明
実施形態	科学研究費補助金
研究委託元等の名称	日本学術振興会
研究種目名	新学術領域研究(研究領域提案型)
科研費研究課題番号	26113515
キーワード	植物, 植物ホルモン, サイトカイニン, 根, 発生・分化, シグナル伝達
代表分担区分	研究代表者
代表者	高橋 直紀
概要	植物は環境ストレスを受けると、根端メリステムを縮小させ、細胞分裂を停止させることで根の成長を抑制する。そこで、環境ストレスによる根端メリステムサイズとの関係を調べたところ、植物はDNA損傷ストレスを受けると、サイトカイニン生合成遺伝子が根の移行領域で特異的に誘導されることで、メリステムサイズの縮小を引き起こしていることを見出した。さらに、サイトカイニンシグナルの活性化にともない、オーキシン輸送に関わるPINs遺伝子の発現が低下することや、DNA損傷に応じてオーキシンシグナルの抑制に働くAUX/IAA遺伝子が、根の幹細胞付近で発現誘導されることから、根の幹細胞でのオーキシンシグナルの低下が引き起こされていることが示唆された。そして、植物はDNA損傷を受けると、幹細胞で特異的に細胞死が引き起こされるが、根端でのオーキシンシグナルの低下が幹細胞の細胞死の誘導に関わっていることを見出した。 また、細胞死を起こした根の幹細胞を再生するために、通常ほとんど分裂を行わない静止中心（以下、QC）細胞が、分裂を活性化させることで新しい幹細胞を生みだすことを発見した。以前までの研究で、ブラシノステロイドがQC細胞の分裂に関わっていることが報告されていたが、幹細胞の再生時には、ブラシノステロイド受容体がQC細胞付近で特異的に発現することにより、QC細胞でのブラシノステロイドシグナルを活性化させていることを見出した。そして、ブラシノステロイドシグナルの活性化に伴い、QC細胞の分裂が誘導されることを明らかにした。