ニシカワ シンイチ
Nishikawa Shin-ichi
西川 伸一 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2000/12 |
形態種別 | 学術雑誌 |
標題 | 戦前期法制局研究序説 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学政治経済研究所『政経論叢』 |
巻・号・頁 | 69巻2・3号,436(139-170)頁 |
概要 | 内閣法制局の前身である戦前期法制局のパワーの源泉はどこにあったのか。本稿はこの課題に、戦前期法制局の所掌事務、機構、および人事の検討によって接近する。 その所掌事務を明記した法制局官制に「内閣ニ隷シ」と位置づけられていたこと、および官制大権を定めた明治憲法体制の性格から、各省官制を独占的に審査していたことが、戦前期法制局に行政部内での独立性と強い権限を裏付けていた。また、法制局官制中の「諮詢事項」を根拠に、それには明文化されていない様々な事務も処理した。機構は戦前期を通じて2部制を中心とした簡素なもので、定員は20名足らず、参事官の定数は8名程度の少数精鋭の組織であった。法制局長官の人事には現在と異なり、政治任用がとられており、歴代長官の8割ちかくが、外部から着任している。貴衆議員にとの兼職も認められていた。一方、部長にはほとんど内部昇格者が就いた。参事官を他省のキャリア官僚からリクルートするという現在のやり方は、すでに1890年代よりとられていた。ただし、彼らの多くは本省入省後5年未満で早くも法制局に出向し、その後官歴のほとんどを法制局ですごした。こうして法制局独自のカルチャーが育まれた。 |