オオグス エイゾウ
Ogusu Eizo
大楠 栄三 所属 明治大学 法学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2003/09 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | 作中人物導入の手法:エミリア・パルド=バサンにおける変遷と転回(第二部)―ヘンリー・ジェイムズ『ボストンの人々』において― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 国際関係・比較文化研究 |
巻・号・頁 | 2(1),51-110頁 |
概要 | ジュネットが書き出しの「転回」の例証として挙げるヘンリー・ジェイムズの『ボストンの人々』(1886)の書き出しが[外的焦点化+未知]であるかを検証した。 発話で始まり戯曲的構成が顕著なその書き出しには,確かに「外的焦点化」への志向を指摘することができる。しかし,語り手の繰り返される介入は読者に「焦点化ゼロ」だという識別を強要し,さらに,作中人物の導入手法の多様性は未知/既知という一義的な判別を阻む。こうした「語り」の一貫性の欠如,換言するなら,対立する二極への志向――作者の介入と情報を制限しようとする意識の共存,さらに情報を制限する外的と内的という両焦点化への志向――は,この小説が作中人物導入の手法に関して「転回」の渦中に位置することを物語っていると解することができる。 |
ISSN | 1348-1231 |