サクヤマ タクミ
SAKUYAMA Takumi
作山 巧 所属 明治大学 農学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2007/03 |
形態種別 | その他 |
標題 | 開発途上国における農業の多様な役割-FAOプロジェクトからの知見と教訓 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 世界の農林水産 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 国際農林業協働協会 |
巻・号・頁 | (806),9-14頁 |
概要 | 農業が食料供給以外の多様な機能を発揮していることは、日本や欧州諸国では広く認識され、こうした機能の維持・増進を目的とした施策の導入も進んでいる。これに対して、開発途上国の農業に関しては、こうした機能は存在するのか、そうであればどのような政策対応が必要なのか、といった点については、ほとんど明らかにされてこなかった 。
こうした事情を踏まえて、FAOの経済社会局農業開発経済部では、日本政府からの資金拠出を受けて、2000年から6年間に渡って、開発途上国の農業が果たしている多様な役割を明らかにし、それを政策立案に反映させることを狙いとして、「農業の役割プロジェクト」を実施してきた。本稿では、このプロジェクトの概要と、そこから得られた主要な知見と教訓について紹介する 。 本プロジェクトから得られた主な知見は、次の5点に要約される。①間接的な外部経済性は、開発途上国の農業にも存在し、それは貧困削減や環境便益の提供等を通じて、社会に大きく貢献している。②こうした農業の間接的な役割が国民経済に果たす相対的な重要性は、経済の発展段階等の様々な条件に応じて大きく異なる。 ③農業の間接的な貢献に対する開発途上国における認識は極めて不十分で、市場・政策・制度の失敗によって、その潜在能力が制約されている。④農業の間接的な役割を政策に反映させるためには、実用的な分析道具や政策指針が必要で、本プロジェクトはこれに途を開くものとなった。⑤農業の間接的な役割を評価し、政策に反映させていくためには、未だなすべきことが多く残っており、更なる取組みが必要である。 |