オオグス エイゾウ
Ogusu Eizo
大楠 栄三 所属 明治大学 法学部 職種 専任教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2002/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | 作中人物導入の手法:『二重の未知』―十九世紀スペイン小説において― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 静岡県立大学国際関係学部研究紀要 |
巻・号・頁 | (14),69-84頁 |
概要 | ジュネットは小説の書き出しと作中人物を導入する手法に関して,一つの「転回」が1885年に起きたと主張している。そこで本稿では,彼の主張を小説テクストの分析を通して批判的に検証する必要があることを指摘した上で,まず,ペレーダの『ソティレーサ』(1885)を取り上げ,「転回」前の手法の特徴が,書き出しの「外的焦点化」と「二重の未知」(読み手にとっての未知と語り手の未知のふり),そして未知を解消するための「紹介の儀式」に存することを明らかにした。 次に,バルザック,フローベール,ゾラ,ヘンリー・ジェイムズの小説を引き合いに出し,「二重の未知」が19世紀ヨーロッパ小説の書き出しに共通する一つのトポスと見なせること,さらに,ペレス=ガルドスの『相続権を奪われた娘』(1881)の書き出しでも外的焦点化の厳密さを指摘できることを明らかにした。 |
ISSN | 0916-2925 |