オオグス エイゾウ   Ogusu Eizo
  大楠 栄三
   所属   明治大学  法学部
   職種   専任教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 1999/03
形態種別 大学・研究所紀要
標題 クラリンの批評概念「典型的なるモノlo típico」について―クラリンの『現実のイリュージョン』とは何か?(第二部)―
執筆形態 単著
掲載誌名 言語・文化・コミュニケーション
巻・号・頁 (22),16-30頁
概要 クラリンは「典型」という概念を用いて数多くの文芸批評を展開している。従来「典型」は風俗主義的な概念,すなわち類型ないし平均として解釈されてきた。しかし,クラリンの「典型的なるモノ」のありようは一様ではない。とくに1880年以降の彼が擁護した「典型」の場合,マルクス主義文学が主張するような個と類を弁証法的に統合した[歴史的に意義深い]形象として捉えるべきである。よって,クラリンの擁護する「典型」は,典型化のプロセスに第三の言説が介在するため,現実には存在しないが「ありえそうな]形象を創出する可能性を孕むことになり,1880年代のクラリンがオルテガ(1925)美学へ向けて大きく踏み出していたと見做し得るのである。
ISSN 0911-7229