フルヤマ ユウギ
Furuyama Yugi
古山 夕城 所属 明治大学 文学部 職種 専任准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | クレタ青銅武具法碑文「スペンシティオス規定」の形質・形態とポリス社会の法受容 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学人文科学研究所紀要 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 明治大学人文科学研究所 |
巻・号・頁 | 89,119-157頁 |
総ページ数 | 39 |
概要 | 本論考では、'Spensithios Decree' の名称で知られるクレタ島で唯一の青銅板法碑文について、その形質と形態上の特徴に注目して、それがどのような状況で存在し、その存在状況によってそこに記された法碑文が、当時の人々にどのように受け止められていたかを考察した。まず、1970年に大英博物館から公開されて以降の研究動向を、初期(1970-8年代)・中期(1990-2000年代)・近年(2010-2019年)の3期に区分して概観し、この碑文が古代ギリシアにおける法の支配の成立や暗黒期からアルカイック期のクレタにおけるポリスの形成といった総合的かつ俯瞰的視野の中に取り込まれていくにつれ、この史料の形質的・形態的特徴編留意が減退し、テキストの内容のみから抽象的な議論に終始してきた現状を確認した。それを踏まえ、両面記載の青銅板碑文としての特質を、同時期のギリシア世界における金属公的碑文の存在状況と比較し、「スペンシティオス規定」の背景に特異な能力をもつっ州の役職者の存在と彼による法顕現の儀礼の在り方を推定した。 |