フルヤマ ユウギ   Furuyama Yugi
  古山 夕城
   所属   明治大学  文学部
   職種   専任准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/02
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 ドレーロス法碑文における'polis'とポリス ―アルカイック期クレタの共同体の合意に関する試論―
執筆形態 単著
掲載誌名 駿台史学
掲載区分国内
出版社・発行元 駿台史学会
巻・号・頁 177,1-32頁
総ページ数 32
概要 クレタ島ドレーロス出土のコスモス職再任を規制する法碑文に現れる polis という文言の解釈について、近年提唱されている「市民共同体」との理解を、クレタの他の法碑文からの類例を比較検証することにより否定し、むしろ位置的・空間的場概念として元々は「アクロポリス」を指し示す用語であることを確認そ、そこからその場所で開かれる重鎮たちの会合という意味でも用いられたことを指摘した。そして、この法碑文がドレーロスのアクロポリスにあるアポロン神殿に刻まれた歴史的事情を、最新の考古学的な発掘調査と領域調査の成果を踏まえ、さらに同時期のドレーロスにおける別の法碑文および古き宣誓文言の後代の再録碑文を手掛かりにして、港湾集落ミラトスの領土編入にともなう体制の再編であったと推察した。また、ポリス=都市国家という先入観に警鐘を鳴らすため、ドレーロスは政治的結集を果たしながらも都市化しないポリスの事例として研究すべき重要な素材であることを主張した。