ヤマダ トモアキ
Yamada Tomoaki
山田 知明 所属 明治大学 商学部 職種 専任教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2004/12 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 日本経済における予備的貯蓄と雇用リスク -一般均衡モデルによる数値解析的アプローチ- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 一橋論叢 |
巻・号・頁 | 132(6),218-237頁 |
概要 | 近年の日本経済における家計貯蓄率の上昇に、不確実性の増大による予備的貯蓄の影響が指摘されている。特に、家計が直面する雇用不安が貯蓄率に対して影響力を持つ事が実証的に示唆されている。しかし、不確実性の性質や個人の選好がどのようなメカニズムを通じて予備的貯蓄となるかの定量的分析は存在していない。そのため、本論分では雇用リスクが日本の貯蓄率に与える影響について、Aiyagari (1994)による予備的貯蓄の一般均衡モデルを用いて分析する。日本経済のパラメータ及び雇用リスクをカリブレートし、不確実性の増大による予備的貯蓄の増加の数量的インプリケーションを導き出す。雇用リスクの増大を平均失業期間の延長、失業率の上昇、失業保険という3点から検証した結果、雇用リスクの増大による予備的動機による貯蓄率の上昇は、平均失業期間の延長がもっとも影響が大きいものの、その影響は1%に満たない非常に緩やかなものであった。また、危険回避度の貯蓄率への影響は大きく、失業期間の延長と共に貯蓄率上昇の原因の1つと考えられる。 |