タケナカ カツヒサ
TAKEANAKA Katsuhisa
竹中 克久 所属 明治大学 情報コミュニケーション学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | 組織における「余白」としての身体・感情・空間・雰囲気ーー組織研究の射程の拡張をめざして |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学人文科学研究所紀要 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 90,537-562頁 |
概要 | 本稿は、従来の近代組織論(modern organization theory)が「余白」として、その理論化を積極的に進めてこなかった対象を、組織研究(organization studies)の中で正統的に位置づける試みである。本稿では、社会学・経済学・経営学・社会心理学・文化人類学といった多様なディシプリンが組織という現象に対して、一部を見事に説明することに成功したことを評価しつつ、他方で説明を保留した「余白」をいかに取り扱うのかについて、最新の組織研究の知見に基づきながら解明を試みるものである。
「余白」として検討の対象になるのは、以下の4つの対象である。1つに身体、2つに感情、3つに空間、4つに雰囲気である。これらは合理性を中心概念として構成された近代組織論においては、その存在を軽視されてきたり、別のものに置換されたりして分析されてきた。これら4つのうち、そのなかの身体と空間はその存在があまりにも所与で当然のものとして扱われてきた経緯があり、それ自体が研究対象となることは少なかった。他方、感情と雰囲気については、モチベーションや文化といったように他のものに置換されて分析が行われてきた。そのため、感情のうちのある一部分しか取り扱われなかったり、文化として成立する前の状態を分析したりすることができなかった。本稿ではこういった「余白」を適切に組織研究の研究対象に組み込むことによってその射程を広げることを目標とする。これらの対象は一見すると無関係なものに見えなくもないが、ミクロ-マクロ、ハード-ソフトという2軸をクロスさせることにより、それぞれの関係性は明らかとなる。 |