ショウ カシン
Zhong Jiaxin
鍾 家新 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2025/03 |
形態種別 | 学術雑誌 |
標題 | 「在日華僑華人の老後問題に関する社会学的分析」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『政経論叢』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 明治大学政治経済部 |
巻・号・頁 | 第93巻(第3・4号),101-130頁 |
総ページ数 | 30 |
概要 | 本論文は、社会学の視点から在日華僑の老い・死を中心に、彼らの老後問題の一側面について分析する。本論文は主に①集団の疎遠と接近、②階級の壁、③中国文化と日本文化のはざまで、④故郷喪失者たち、⑥近代化の時間差の残影、によって構成されている。全体の分析により、在日華僑の老い・死という老後問題の独自性と普遍性がつぎのようにあきらかにされる。(1)彼らは中国の各種の社会集団と疎遠になってから、日本の各種の社会集団に接近しようと試みるが、容易なことではなかった。そして、再び中国の各種の社会集団に接近しようと努力するが、困難になった。(2)来日前、彼らの多くは中国社会の階級構造において底辺にあった。本人の学歴や日本語の壁などによって、日本社会でも、単純労働力として最底辺に編入されていた。(3)来日前、彼らは中国で社会化された。来日後、日本文化に適応しようと努力するものの、なかなか日本社会に融け込めなかった。結果として、中国文化と日本文化のはざまで生き抜くようになった。(4)彼らは故郷喪失者たちであるため、心をささえる故郷という土台が崩れた。(5)彼らは日本と中国との近代化の格差の産物であり、犠牲者であり、またその格差の残影でもある。 |