シ リーピン
shi liping
施 利平 所属 明治大学 情報コミュニケーション学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2009/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | 「世代間関係における非対称性―第2回全国家族調査データ(NFRJ03)を用いた実証研究」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『明治大学社会科学研究所紀要』 |
巻・号・頁 | 47(2),157-171頁 |
概要 | 本稿の目的は、1950年以降生まれの者とその親との関係に焦点をあてて、父系から双系へという双系化論と、親族の二重構造論がそれぞれ予想する直系家族制解体後の親子関係のあり方―「一子との同居パターンが消失して、親子間の交際・援助における長男とその他の子どもとの差異、息子と娘との差異がなくなる」および「一子同居のパターンが消失するとともに、それまで抑制されていた娘との交際・援助がより活発に行われるようになる」―を、全国レベルの調査データを用いて検討することにある。「第2回家族についての全国調査(NFRJ03)のデータを用いてロジスティック回帰分析を行ったところ、居住は息子、主に長男と親との間で行われる一方、会話と援助は娘と親(とくに母親)との間で活発に行われるという、非対称的な世代間関係が確認された。この分析結果は、前者の予想とは一致せず、後者の予想とも部分的にしか妥当しない。従来の二重構造論は、伝統的な村落社会では直系家族制と双系的な親類関係が共存していたが、直系家族制の解体により双系的な関係が顕在化していくという議論であった。ところが、今回の分析結果は、高度成長期以来の工業化・都市化・近代化を経験した現在においても、直系家族制と双系的関係が持続している可能性を示している。このことは、従来の二重構造論を修正し再構築することを要請しているように思われる。 |