オチアイ ヒロキ
Ochiai Hiroki
落合 弘樹 所属 明治大学 文学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2001/01 |
形態種別 | 著書 |
標題 | 明治国家と士族 |
執筆形態 | 単著 |
出版社・発行元 | 吉川弘文館 |
巻・号・頁 | 1-316頁 |
著者・共著者 | 落合弘樹 |
概要 | 本書は士族に対する政策がどのような背景と過程の中で形成され、それが国家政策全体の中でどのように位置づけられ、あるいは士族層にいかなる反応を及ぼしたのかを総合的に検討したものである。まず、明治初年の重要な改革は、政府の開明官僚に呼応するかたちで、諸藩の改革派によって多くの基礎が達成されたことを明らかにし、旧藩士の能動性が改革の大きな梃となったことを論じた。一方、急激な集権化は地方に割拠する士族の反発を招き、欧化政策は守旧派の憤激をもたらした。大久保政権は内務省を中軸とする統治機構の情報力を背景に切り崩しを図り、武力以外に鎮圧の手段がない勢力を孤立させていった。このように政府は士族の特権を解消し、一部を武力鎮圧したが、全体においては国家建設に能動的な士族に依拠する部分が多かった。このため、自由民権運動の全国的展開とインフレによる士族の窮迫という状況の中で、政府内では支持基盤として士族の強化再編が求められ、士族授産は重要な政策課題となる。 |