キシ マキコ
KISHI MAKIKO
岸 磨貴子 所属 明治大学 国際日本学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/03 |
形態種別 | 学術雑誌 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 実践のデザイナーとしての現場・実践への接近法 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 異文化間教育学 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 異文化間教育学会 |
巻・号・頁 | 43,32-48頁 |
概要 | 本稿では本特別課題研究を通して実践のデザイナーとしての私の「現場・実践への接近法」の軌跡を4つの段階に分けて振り返った.第一に,現場・実践に第3者として接近した時は現場を変革させようという意図はなく,ただ現場の人の目線から彼らの世界を理解しようとした.第二に,そのあとに続く実践者の私は,現場には現場・実践には関与するが,現場の考え方ややり方を尊重し違和感を感じながらも彼らのニーズに合わせて関わった.第三に,教育工学の研究者としての私は,工学的アプローチから現場の問題を分析し,協働的に問題解決に取り組んだ.一方で工学的アプローチの限界を感じた.最後に,このような葛藤を通して,私にとっての研究の営為とは何かについて考えさせられる中,実践的研究者として実践に関わるようになった.
本稿では,実践的研究者としての「私」がどのように現場・実践に接近したかについて、インドにおける海外フィールドワークを事例に述べた.そして,その経験を通して, 現場で何が起こっているかを社会文化的アプローチから解釈し,そこで見えてきたことをもとに環境へ働きかけ,その先の実践を作り上げていく接近法の可能性を感じた.私の「現場・実践への接近法」 は未だ試行錯誤であるが,これまでの経験を振り返ることで,自己内の葛藤とそこでの対話を可視化し,未来における「現場・実践への接近法」に貢献したい. |