サクヤマ タクミ
SAKUYAMA Takumi
作山 巧 所属 明治大学 農学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/09 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
招待論文 | 招待あり |
標題 | TPP合意における日本の農産品自由化の規定要因-交渉ルールの役割の検証- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | フードシステム研究 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本フードシステム学会 |
巻・号・頁 | 23(2),65-74頁 |
概要 | 本論文は、TPP合意において日本の農産品の大幅な自由化が短期間で実現した要因を明らかにすることを目的とする。具体的には、事前に設定された交渉ルールの役割に注目し、TPP合意において日本の農産品の大幅な自由化が進展した要因として「品目数ベースでの95%の関税撤廃率の設定」を、TPP交渉において日本の農産品を巡る協議が短期間で妥結した要因として「先行参加国への交渉終結権の付与」を、それぞれ仮説として提示し、その妥当性を検証した。前者に関しては、政府の公式発表以外の資料の精査と、その基準を適用した場合と実際の約束内容を比較することによって仮説の存在を実証し、日本の農産品の自由化水準の向上が、全品目を対象とした95%の関税撤廃率の設定に起因することを明らかにした。また、後者に関しては、TPP合意の影響度を被説明変数とし、説明変数である日本のTPP参加国からの輸入量割合の統計的な有意性を検定することによって、日本が国内生産に影響を与える譲歩をしたのは先行国に対してのみであり、先行国への交渉終結権の付与が日本の農産品を巡る協議の短期間での妥結に寄与したとの仮説と整合的な結果を得た。本論文は、これまでほとんど明らかにされてこなかったTPP合意における日本の農産品自由化の背景にある交渉ルールについて、単にその存在を指摘するだけでなく、定性的・定量的な分析を通じてその存在を検証した点で独創性を有する。 |
DOI | http://doi.org/10.5874/jfsr.23.2_65 |