コバヤシ ヨシキ   KOBAYASHI YOSHIKI
  小林 良樹
   所属   明治大学専門職大学院  明治大学ガバナンス研究科
   職種   特任教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2024/03
形態種別 大学・研究所紀要
標題 情報戦とインテリジェンスの関係:インテリジェンス研究の視点からの考察
執筆形態 単著
掲載誌名 ガバナンス研究
掲載区分国内
出版社・発行元 明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科
巻・号・頁 20,87-113頁
著者・共著者 小林良樹
概要 本稿では、いわゆる情報戦とインテリジェンスの関係に関し、インテリジェンス研究の視点に基づく考察を試みた。具体的には以下の3つの論点の分析を試みた。

 第1に、情報戦とは現代における新たな現象及び研究課題なのだろうか。情報戦と称される活動の多くは、根本的には必ずしも新しい現象ではなく、こうした活動は従来からも存在する。したがって、情報戦に関連する諸課題の多くは、インテリジェンス研究を含む様々な既存の学術研究において扱われている課題に含まれると考えられる。ただし、近年のサイバー空間の発展等に伴いこうした活動の手法等は変化しているとみられる。したがって、学術研究上もそうした変化に対応する必要性が生じていると考えられる。

 第2に、政府のインテリジェンス・コミュニティ(IC)は、情報戦の中でどのような役割を果たすのであろうか。情報戦の中には、偽情報等の選別、カウンター・インテリジェンス等、IC の担うインテリジェンス業務に含まれる領域もある。他方、情報発信に関しては、政策とインテリジェンスの分離(インテリジェンスの客観性の維持)等の観点から、IC がこうした業務に直接関与することは適切ではないと考えられる。

 第3に、非政府系オシント組織の発達により、情報戦における IC の役割はどのような影響を受けるのであろうか。こうした非政府系組織等と連携・協力を図ることは、インターネットや SNS 空間上の大量の公開情報の処理等に際し、政府の IC にとっても一定のメリットが有ると考えられる。他方で、そうした連携・協力を図るに当たっては、秘密の保全、こうした非政府系組織等の活動に関するアカウンタビリティーの確保等に関して慎重な検討が必要と考えられる。

キーワード:情報戦、インテリジェンス、オシント
PermalinkURL http://hdl.handle.net/10291/0002000701
researchmap用URL http://hdl.handle.net/10291/0002000701