オノ ユミエ
ONO YUMIE
小野 弓絵 所属 明治大学 理工学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2017/02 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 脳機能計測による手技療法の疼痛緩和効果の評価 |
執筆形態 | 共著(筆頭者以外) |
掲載誌名 | 生体医工学 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本生体医工学会 |
巻・号・頁 | 55(1),1-8頁 |
総ページ数 | null |
著者・共著者 | 松田康宏, 鈴木達也, 小野塚實 |
概要 | 柔道整復師が行う手技療法とは身体の筋や関節など運動器の損傷に対して徒手的に施術することである.この手技療法の効果は,関節可動域の計測と口頭あるいはVisual analog scale (VAS) を用いた疼痛感の計測の組み合わせにより評価されている.このうち疼痛感の評価は患者の主観に委ねられているため客観性に乏しく,加えて,言語による意思疎通のとれない患者では評価ができないという欠点がある.本研究では,ベッドサイドでも利用できる小型fNIRSを用いて脳活動を計測し,手技療法の効果を脳活動の変化から定量的に評価できるかどうかを検討した.被験者は膝関節伸展位固定の背臥位とし,疼痛感を反映する前頭前野部の脳活動をfunctional near-infrared spectroscopy (fNIRS)により継続的に計測した.始めに疼痛が誘発されるまで股関節を屈曲させ,股関節屈曲角度とVASを計測した (手技療法前タスク1). 5分間の手技療法後,手技療法前タスク1と同角度まで股関節を屈曲し,VASを計測した (手技療法後タスク2).その後,再度手技療法前タスク1と同様の計測を実施した (手技療法後タスク3).Oxy-Hb濃度とVAS値は手技療法前タスク1と手技療法後タスク3で高値,手技療法後タスク2で低値となり,Oxy-Hb濃度とVAS値の変化は相関関係を示した.また,手技療法後タスク3では,さらに股関節屈曲角度は増加を示した. これらの結果から,手技療法の前後において,VAS値,股関節屈曲角度,前頭前野領域のOxy-Hb濃度の変化を計測し疼痛感を可視化することにより,手技療法の効果を客観的に評価できると考えられる. |