ストウ イサオ
Suto Isao
須藤 功 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2017/03 |
形態種別 | 書籍掲載論文 |
標題 | アメリカの戦時在外余剰資産の処分と武器移転―国務省対外清算局の活動(1945-49年)を中心に― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 榎本珠良編『国際政治史における軍縮と軍備管理――19世紀から現代まで』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本経済評論社 |
巻・号・頁 | 187-217頁 |
概要 | 国際武器移転の経路が諸種ある中で、アメリカ合衆国を軸とする武器移転で見過ごされてきた重要な経路の一つは、世界大戦で派兵されたアメリカ軍が帰還時に持ち帰らずに国外で処分した武器・弾薬である。武器移転政策史研究は、第2次世界大戦に伴う膨大な戦時在外余剰資産に武器・弾薬が含まれた事実を示しているが、その実態は詳らかになっていない。本稿の目的は、武器貸与援助に派生する余剰物資を含め、第2次世界大戦でアメリカ軍が世界各地に展開して終戦時までに積み上げた膨大な戦時余剰資産――軍需品や軍事施設を含む――の具体的なデータを提示してその全体像を示すことにある。本章が主に依拠した資料は、第2次世界大戦終結時におけるアメリカ遠征軍の戦時在外余剰資産の処分を担った国務省対外清算局(OFLC)が、詳細なデータをもとにその活動を記録した膨大な文書で、米国国立公文書館に保管されている。本稿は、戦時在外余剰資産の処分品に武器・弾薬が含まれていたこと、またアメリカ軍による西半球防衛計画の一環として中南米諸国等に対する「暫定配備」プログラムに、さらにはカナダ、中国、イランに対する武器移転プログラムや中南米諸国やフランス、ノルウェーに対する「海軍用船リース船舶」プロジェクトへと、戦時在外余剰資産処分が何崩し的に利用されて国際武器移転の重要な経路になったことを明らかにした。 |