ストウ イサオ
Suto Isao
須藤 功 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020/02 |
形態種別 | 書籍掲載論文 |
標題 | 第3章 大きすぎて潰せない(TBTF)――コンチネンタル・イリノイ銀行の救済を事例にして |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『ウォール・ストリート支配の政治経済学』(大橋陽・中本悟編) |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 文眞堂 |
担当範囲 | 第3章、51-70頁 |
概要 | 大恐慌に直面して、単店舗主義下の小規模銀行が連邦準備制度の外側にあって金融構造の脆弱性を露呈したことから、連邦議会は金融中心地の大銀行の反対を押し切って預金保険制度を導入した。金融恐慌に直面した場合に備えて、連邦準備銀行は適格手形の再割引を通じて最後の貸し手として機能し、連邦預金保険公社は不健全経営で破綻に直面した銀行には預金保険の支払いによって取り付けを阻止する分業体制が構築された。しかし、IMFの固定為替相場制が瓦解してフロート制に移行したのち、金融規制の緩和と金融機関の競争が激化した結果、金融市場のグローバル化が進行する一方で、地方銀行のみならず金融センターの大銀行すら経営破綻に陥る事態が出現して、連邦準備制度と連邦預金保険公社の分業体制は、財務省を巻き込む形で「大きすぎて潰せない」政策に結集することになった。このTBTF政策へと本格的にシフトする契機となったのが、1984年のコンチネンタル銀行の救済であった。ところが、TBTF政策によって地方銀行の預金はTBTFで守られた巨大銀行へのシフトを助長する結果となり、預金保険制度は創設段階とは逆に大銀行の守護神と化したのである。 |