ストウ イサオ
Suto Isao
須藤 功 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020/02 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | コンチネンタル・イリノイ銀行の経営破綻と救済――TBTF政策の歴史的起点 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学『政経論叢』 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 88(1/2),57-97頁 |
概要 | 1984年のコンチネンタル・イリノイ銀行の経営破綻と金融規制当局による救済は、いわゆる「大きすぎて潰せない(Too big to fail)」政策原理が登場した歴史的起源とみなされている。本稿は、コンチネンタル銀行の恒久救済パッケージを策定・公表する過程で、実は金融規制当局者の間で政策方針をめぐる激しい対立があった事実に着目した。救済パッケージの策定に直接関与したFDIC理事スプレーグの回顧録は、リーガン財務長官やマクナマー次官ら財務省によるFDIC案に対する執拗な批判を記録している。しかし、本稿の分析からは、財務省外局トップの通貨監督官とFDIC理事を職権で兼務するコノヴァーが救済プログラムの、従ってまたTBTF政策原理確立の鍵を握っていたことが明らかになった。コノヴァーはレーガン政権の金融規制の緩和政策を果敢に推進する一方で、その弊害として多発する中小銀行の経営破綻はペイオフで処理し、そしてコンチネンタル銀行のごとき全米第8位の巨大多国籍銀行については、連邦準備銀行の「最後の貸し手(LLR)」機能と組み合わせてTBTF政策を確立しようとした。 |