ストウ イサオ
Suto Isao
須藤 功 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2021/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | マーシャル援助後アメリカの対外援助政策――グレイ報告(1950年)を中心に |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学『政経論叢』 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 89(3/4),85-118頁 |
概要 | マーシャル援助終了後を見据えて、トルーマン政権は低開発国に対する技術援助「ポイント・フォア」計画を提起する一方で、世界経済の「ドル不足」問題がなお続くと見て「グレイ委員会」を立ち上げた。しかし、グレイ委員会はその終盤に朝鮮戦争の勃発に遭遇してその報告書(1950年)も影響を受けることになった。従って、グレイ報告は第2次世界大戦後アメリカの対外援助政策の形成過程を検証するうえできわめて重要な転機と見ることができる。本稿は、グレイ委員会の設置過程から報告書の提出に至る過程を検証し、1950年代アメリカの対外援助政策史のなかに位置付けることを課題とした。グレイ報告の内容は、防衛力の増強に配慮しつつも、対外経済政策の長期的目標の達成を主眼とする勧告をまとめることになった。そこには既に低開発援助が組み込まれていた。民間投資の政府保証、世銀の役割とEXIMによる補完、そしてポイント・フォア計画演説で打ち出した低開発地域への技術援助であった。確かに、これらの背後にはアメリカが抱える問題と戦略とが伏在していた。 |