ストウ イサオ
Suto Isao
須藤 功 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2021/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | ランドール委員会報告(1954年)と対外援助政策――通貨交換性回復に向けて |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学『政経論叢』 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 89(5/6),53-86頁 |
概要 | 第2次世界大戦後アメリカの対外援助政策は1950年代末から1960年代初頭のケネディ政権期に、先進国に加えて低開発国をも取り込んで冷戦型「開発」政策 あるいは「国際開発援助体制」として完成する。本稿は、過渡期として位置づけられる1950年代半ばにおけるアメリカ対外援助政策に焦点を当て、安全保障政策や国内農業政策と交差したその特質を明確にしようとした。アイゼンハワー政権はマーシャル援助の終了と朝鮮戦争休戦協定を経て、本格的に自由貿易体制の確立を目標に掲げ、対外援助の縮小、対外投資の拡大、そして通貨交換性の回復に取り組むことになった。これらの政策課題について諮問したのが「対外経済政策委員会」(通称ランドール委員会)で、本稿の主要な分析対象となった。ランドール委員会は世界のドル不足問題が解消していないとし、ドル・ギャップを埋めるための諸手段を検討した。そして委員会報告書(1954年)は経済援助の縮小と贈与から借款へのシフト、技術援助の継続を勧告する一方で、安全保障に基づく軍事援助の域外調達や、余剰農産物の現地通貨による輸出と収益の対外援助への活用に一定の理解を示したのであった。・・・ |