ストウ イサオ
Suto Isao
須藤 功 所属 明治大学 政治経済学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/12 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 州際通商委員会の鉄道規制とその変遷(1887-1970年)―ペン・セントラル鉄道救済計画の破綻によせて― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『アメリカ経済史研究』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | アメリカ経済史学会 |
巻・号・頁 | (21),1-24頁 |
概要 | 経営危機に直面したペン・セントラル鉄道は、ニクソン政権の救済計画が頓挫して、1970年6月に倒産した。同鉄道は資産規模でU.S.スティールに次ぐ巨大企業で、アメリカを代表する公益事業会社で、1887年州際通商法に基づいて設置された州際通商委員会(ICC)の手厚い規制と保護のもとにあった。しかし、ロッキード社(1971年)やコンチネンタル・イリノイ銀行(1984年)が救済されたように、なぜ「大きすぎて潰せない(TBTF)」政策の対象にならなかったのか。本稿は、企業経営戦略をめぐる対立や金融資本の支配構造など従来のアプローチではなく、ICCによる運輸産業の規制政策の歴史的展開の中でこの問題を再考した。ICCは、トラックやパイプラインなど新たな輸送手段との競争で衰退に直面した鉄道会社の水平的統合やコングロマリット統合を容認しつつ、一方で全国の鉄道網を地域鉄道システムに統合すること(国家運輸政策)に活路を見いだそうとしていた。ペン・セントラル鉄道救済計画の破綻をICC規制政策の歴史的展開から照射するならば、TBTF政策は「幻想」と化していたとの結論に至る。 |