サクヤマ タクミ
SAKUYAMA Takumi
作山 巧 所属 明治大学 農学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2010/01 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | 関税保護の政治経済学:理論と実証に関する先行研究のレビュー |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 青山国際政経論集 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 青山学院大学国際政治経済学会 |
巻・号・頁 | (80),161-179頁 |
概要 | 本稿では、日本農業を対象として、貿易政策を巡る理論(関税撤廃と所得再分配の組合せが最適)と現実(関税が多用)とのギャップの背景を明らかにするための準備作業として、先行研究のレビューを行った。まず、分析アプローチについては、貿易政策の決定問題を扱ってきた経済学や政治学が依拠する前提を対比し、貿易政策を巡る理論と現実のギャップの背景を解明するという本稿の問題意識に合致したアプローチとして、公共選択論を国際貿易に適用した「貿易政策の政治経済学」を特定した。次に、理論モデルについては、貿易政策の政治経済学モデルを「再分配の政治経済学モデル」と「関税保護の政治経済学モデル」に分類し、後者に属する4種類の理論モデルを要約した。更に、実証分析については、先行研究の大半が再分配の政治経済学モデルに関するものであることを示した上で、関税保護の政治経済学モデルに関する実証分析例を詳細に検討した。先に述べたように、貿易政策の政治経済学に関する既存のサーベイ論文のほぼ全てが、「再分配の政治経済学」に関する理論モデルを対象としており、「関税保護の政治経済学」に焦点を当てて理論モデルと実証分析の双方について包括的なレビューを行った文献は見あたらないことから、本稿はこうした意味でサーベイ論文としての独自性を有している。 |