ヤマダ トモアキ
Yamada Tomoaki
山田 知明 所属 明治大学 商学部 職種 専任教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2006/10 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 賦課方式公的年金による所得再分配政策が資産格差に与える影響について |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 日本経済研究 |
巻・号・頁 | 55,59-78頁 |
概要 | 本稿では、社会保障制度による世代間所得移転が資産格差に与える影響を確率的動学一般均衡モデルを用いて分析する。賦課方式で運営される公的年金制度を考え、勤労所得から定率で徴収する際の年金保険料を様々に変更して政策シミュレーションを行い、異なる公的年金制度が資産格差に与える影響を考察した。一般均衡のもとでは、年金保険料を高めて老後の年金給付額を増加することはライフサイクル動機に基づく貯蓄を低下させ、全世帯を集計した総資本の低下は限界生産性の上昇を通じて利子所得の増加をもたらす。その結果、マクロ経済における資産格差を拡大させる可能性がある事を数値計算を用いて明らかにする。更に、同様の政策は世代間の資産格差に対して非対称的な影響を与える事を示す。資本所得の相対的役割の増大は多く貯蓄を保有する高齢世帯の資産格差を広げる一方で、若年層の資産格差を低下させる。そのため、公的年金制度の変更は世代間資産格差に対してトレードオフが存在することが明らかになる。 |