オチアイ ヒロキ   Ochiai Hiroki
  落合 弘樹
   所属   明治大学  文学部
   職種   専任教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 1999/12
形態種別 著書
標題 秩禄処分-明治維新と武士のリストラ-
執筆形態 単著
出版社・発行元 中央公論新社(中公新書1511)
巻・号・頁 1-213頁
著者・共著者 落合弘樹
概要 本書は一般向けの著作であるが、明治維新期における最重要の国内改革として秩禄処分をとりあげ、武士の特権解消という視点から明治維新を論じた。まず、処分の対象となった士族の前身である近世国家における武士(幕藩家臣団)の実像を概観し、急進改革の背景には、公益を重視する武士の本来的意識、富国強兵と統一権力の創出を意図する強い潮流があったことを述べた。続いて、徹底した改革が廃藩置県前に諸藩で自主的に行われ、それが秩禄処分の早期実現を大きく促進したとし、さらに廃藩置県の処理を課題とした留守政府が、井上馨の主導のもとで急進的な家禄廃止案を打ち出すものの、井上の指導力欠如とともに政府内の結束が不十分だったために挫折する過程を明らかにした。そして強力なリーダーシップが存在した大久保政権のもとで、内憂外患に直面しつつも、禄制廃止が達成される状況を述べ、最後に秩禄処分が士族層に与えた変化を考察した。