ヒラヤマ マキ
HIRAYAMA MAKI
平山 満紀 所属 明治大学 文学部 職種 専任教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2014/03 |
形態種別 | 大学・研究所紀要 |
標題 | 性の戦後史概略 1950年~1980年 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 明治大学心理社会学研究 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 明治大学文学部心理社会学科 |
巻・号・頁 | 10,1-17頁 |
概要 | 本論文は,1950年から80年頃までにわたる,日本の性の歴史を,性意識,性規範,性表現,性をめぐる知,性行動などを全体的に把捉しつつ略述する。この時期西欧・米国では人々の主体的な変革としての「性革命」が起きたと見られているが,日本では「性解放」は起きたが性革命がほとんど起きなかった事情を見ていく。西洋的近代的な性の表の公共性・公共空間と,前近代的な性習俗が形を変えた裏の公共性・公共空間が日本には存在し,その二つに男女が異なる振り分けをされた。裏の公共性・公共空間にあたる性産業ではこの時期サービス化を発達させ,男性は性的な願望を容易にサービスの形で実現できるようになった。夫婦の性のエロティック化はある程度進んだが,男女が異なる公共性・公共空間で性意識を形成しているので,コミュニケーションに多くの齟齬が生じ,エロティック化は限界に至った。男性は性の裏の公共性・公共空間を隠そうとする意識から,性についての公共の言論や性教育を忌避しがちで,男性目線の性情報は氾濫するが性教育や性の思想言論は極めて貧弱な状態にとどまった。 |