オノ ユミエ
ONO YUMIE
小野 弓絵 所属 明治大学 理工学部 職種 専任教授 |
|
発表年月日 | 2018/09/08 |
発表テーマ | アイコンタクトによる脳ネットワーク活動の可視化 |
会議名 | 第35回日本脳電磁図トポグラフィー研究会(JSBET) |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(招待・特別) |
単独共同区分 | 単独 |
招待講演 | 招待講演 |
開催地名 | 札幌 |
発表者・共同発表者 | 小野弓絵 |
概要 | アイコンタクトはヒト-ヒト間コミュニケーションの開始や維持に関わる基盤行動である。我々はアイコンタクトを行う2つの脳に生じる機能回路の解明を目的として脳波ハイパースキャニングを行い,実際に向かい合って座っている相手の目あるいは顔写真の目にアイコンタクトを行った際の脳内・脳間のネットワーク活動解析を行った。アイコンタクトという瞬間的な行動に対する脳活動の変化を捉えるために時間分解能に優れた脳波を用い,脳部位間のネットワーク形成の指標として多変量グレンジャー因果による実行的結合性を算出した。写真の目に対してアイコンタクトを行った条件(Pic条件)に比べ,実際のヒトの目にアイコンタクトを行った条件(Real条件)において,アイコンタクトの1秒前に,左前頭前野背外側部から左紡錘状回近傍領域へのシータ波帯域の脳内因果的結合性が有意に増大した。紡錘状回は顔認知に関わる脳領域であることから,ヒト対ヒトの視線コミュニケーションに先行する,予測的・準備的なトップダウン処理が検出されたといえる。また脳間のネットワークについては,アイコンタクトの終了1秒前に,前頭前野背外側部間のアルファ波帯域の因果的結合性がReal条件においてPic条件より有意に低下していた。これは合わせていた視線を反らすタイミングに一致しており,アイコンタクトによるコミュニケーションの終結にかかわる活動を反映していると考えられた。 |