ミウラ タロウ
MIURA Taro
三浦 太郎 所属 明治大学 文学部 職種 専任教授 |
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発表年月日 | 2024/09/08 |
発表テーマ | 『百科全書』における知識体系の分類 |
会議名 | 2024年度日本図書館文化史研究会研究集会(龍谷大学梅田キャンパス) |
主催者 | 日本図書館文化史研究会 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 大阪 |
開催期間 | 2024/09/07~2024/09/08 |
発表者・共同発表者 | 三浦太郎 |
概要 | 発表者は,先に,相関図書館学方法論研究会編『図書館思想の進展と図書館情報学の射程』(松籟社, 2024)において,『百科全書』における分類の枠組みについて考察した。『百科全書』刊行に際して,共同編集者ディドロとダランベールは項目全体を俯瞰するための知識体系の大枠を示し,「歴史・哲学・詩」の順序立てとした。これは一見,ベーコン『学問の進歩』における学問分類の踏襲に見える。ベーコンは神の摂理に基づく自然の真理の解明という見地から,自然の発見から記憶へ,そして想像を介した理性の判断へと向かう「記憶・想像・理性」の認識過程を考え,学問分類を根拠づけた。しかし,これにたいし,ディドロとダランベールはロックの認識論の影響を受けつつ,自然界からの働きかけを起点に,観念の知覚,記憶,理性の働きによる観念結合という流れを考察し,そうした認識に基づき学問を整理して『百科全書』の見取図を描いた。本発表では,『百科全書』に関する先行研究や,『百科全書』の刊行当時の状況を整理した上で,ベーコンの学問分類と『百科全書』における知識体系の分類の相違について明らかにする。記憶と理性が直接に結びつき,「記憶・理性・想像」という順序立てを導いた『百科全書』の分類は,ベーコンの分類の枠組みとは異なったと考えることができる。 |