キシ マキコ   KISHI MAKIKO
  岸 磨貴子
   所属   明治大学  国際日本学部
   職種   専任准教授
発表年月日 2015/08/26
発表テーマ 協調問題解決能力評価は教育改善に繋がるか ―全国学力・学習状況調査問題の共同問題解決を通して―
会議名 日本教育心理学会 第57回総会
主催者 日本教育心理学会
学会区分 全国学会
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
単独共同区分 共同
開催地名 朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)
発表者・共同発表者 企画・話題提供:遠山紗矢香(静岡大学)・白水始(国立教育政策研究所)
話題提供:山田雅之(日本教育大学院大学)・岸磨貴子(明治大学)・益川弘如(静岡大学)・
河崎美保(追手門学院大学)・遠藤育男(伊東市立対馬中学校)・丸井純(伊東市立東小学校)
指定討論:一柳智紀(新潟大学)・平野智紀(内田洋行)
概要 協調問題解決能力をいかに評価するかが議論を呼んでいる。本シンポでは,協調問題解決能力はいかなる手法で評価できるのか,その評価は教育の質向上につながるのかについて,全国学力・学習状況調査問題の二人問題解決という枠組みと対話等のデータ分析とを通して検討する。
近年提案されている評価法の一つが,PISA2015のCollaborative Problem Solving (CPS) である。調査は短時間で効率的に協調問題解決能力を評価するために,情報の共有や分析が必須な課題に,調査対象の生徒がPC上のエージェントと協力して課題を解決する。これにより確かに調整能力やモニタリング能力は測定できるが,我々が子どもたちに身につけて欲しいと願う協調問題解決能力は,それで十分にカバーされるのだろうか。
そもそも協調問題解決とは,誰も答えを知らない/答えに確信を持てない問題に参加者がそれぞれの考えを出し,考えの違いについて話し合いながらより良い考えを見いだす過程である(Miyake, 1986)。それが本来の姿であるとすれば,児童生徒にも一人では解くのが少し難しいが,二人で解けば解けそうな問題を解いてもらい,その過程で子供たちが実際に「考えを出し」「違いを話し合い」「より良い考えを見いだす」かを対話から分析すればよいのではないか。そう考えて登壇者らのグループでは,全国学力・学習状況調査の算数・数学・国語のB問題を小中学生に一人で解いてもらった後二人で解く調査を行ってきた(Shirouzu et al., 2015)。PISAのCPSが誰でも取り組めるように領域知識を問わない問題にしたのに対し,領域知識を求める問題を解くのに二人の知識を総動員して解く過程を分析するのが狙いである。
本シンポでは,(1)一人から二人への正答率の向上を超えて,協調問題解決の程度を対話過程から直接的・統一的に分析する指標の同定を遠山らが行い,(2)知識構成型ジグソー法など協調学習で育ってきた児童の協調問題解決を(1)の指標で益川らが検討し,(3)短時間で断片的に採取された協調問題解決過程の情報が長期間・継続的な教育の質向上にどう役立つかを白水のリードでフロアと議論する。最後に対話のパタンを分析することの意義を一柳が,こうした調査方法や分析をスケールアップする可能性について平野が論ずる。