ミゾベ ヤスオ   MIZOBE Yasuo
  溝辺 泰雄
   所属   明治大学  国際日本学部
   職種   専任教授
発表年月日 2012/05/27
発表テーマ 第二次世界大戦期の日本アフリカ交渉史研究:英語圏西アフリカ(ガーナ)に現存する旧日本軍の「戦利品」に関する調査の予備的報告
会議名 日本アフリカ学会第49回学術大会
主催者 The conference was held at the National Museum of Ethnology, Suita, Osaka, Japan
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
概要 本報告の目的は、第二次世界大戦(以下、第二次大戦)期のアフリカに遺された日本及び旧日本軍に関連する物品等の所在調査の中間報告を行うことにある。報告者は2007年以降、以前よりおこなってきた19世紀以降の英語圏アフリカで展開された「近代化」論の歴史的研究と併行して、第二次大戦期の日本とアフリカの交渉史に関する調査を実施してきた。2009年からは科学研究費補助金 の支援を得て、英領西及び東アフリカ植民地(主にガーナ、ナイジェリア、ケニア)において、「連合国」の一員として同大戦に巻き込まれた現地の人々が、「枢軸国」の一国として敵対することとなった「日本」に対する認識をいかに変化させていったのかを跡づけるべく、a.新聞や公文書及び宣伝文などの文字史料に加え、b.現地に現存する「第二次大戦期の日本」に関連する物品・地名などの調査・分析をおこなっている。

 上記b.( 現地に現存する「第二次大戦期の日本」に関連する物品・地名などの調査・分析)については、報告者がこれまでに実施した現地調査の結果、ガーナのクマシにあるガーナ国立軍事博物館(Ghana Armed Forces Museum)に、第二次大戦期にインド=ビルマ戦線より持ち帰られた旧日本軍の遺品(武器・武具・軍票・署名付き日章旗など)が展示・収蔵されていることが確認されている。これらは「第二次大戦期の日本アフリカ交渉史」という範疇に留まらず、日本の過去を遺す貴重な史料であり、紛失・劣化する前に、その正確な情報を把握することが求められる。今回の報告では、同館所蔵の物品に関する調査の予備報告を中心に、(旧英領)西アフリカに残存する文書以外の史料について、現状で把握できている情報を提供したい。なお、同様の「戦利品」については、他の旧英領植民地でも現存していることが予想される。報告者自身も現在調査を実施しているが、関連する情報についてフロアからの指摘やコメントを歓迎する。