オオグス エイゾウ   Ogusu Eizo
  大楠 栄三
   所属   明治大学  法学部
   職種   専任教授
発表年月日 2020/01/12
発表テーマ 鉄道と風景:1868年世代の小説において
会議名 公開シンポジウム「交通と文学:鉄道の時代としての19世紀」
主催者 リアリズム研究会/慶應義塾大学教養研究センター
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
単独共同区分 単独
招待講演 招待講演
開催地名 慶應義塾大学日吉キャンパス
概要 鉄道が開通した当時,初めて乗客となったスペインの作家たちは,その体験をいかにフィクション化したのか? ロマン主義作家ベッケルの『わが僧房より』(1864)といった先駆的な試みもあったが,鉄道の旅をモチーフとしたのは,1868年世代をリードしたペレス=ガルドスの未発表小説『ロサリア』(1872?)が最初だろう。ただ刊行されたものとしてはパルド=バサンの『新婚旅行』(1881)となる。本作には,登場人物が車窓から「すばやく動く風景」を関心をもって眺めるシーンが現れる。この「動く風景に対する感受性」こそが,スペイン・リアリズム小説を代表するクラリンの『裁判所長夫人』(1885)とガルドスの『フォルトゥナータとハシンタ』(1887)の中に,スペインの田舎の景色や風物を描かせていったのだ。
 鉄道の旅に対するこのような感性の変化を,19世紀末からパルド=バサンの最後の小説『愛しの主』(1911)までたどった。